中国便り 〜出稼ぎ社長、千里を走る!! 〜
中国の赤い電気自動車!恐るべし
こんにちは。
このブログには初登場、社長の松橋です。
先月は中国出張で、深センを中心に華南地区をまわってきました。
びっくりしたのが、中国の電気自動車事情の変貌ぶりです。
ハイブリット車が主役の日本では、電気自動車は未だ離島でチョコチョコ実験段階。
最近も日経ビジネスに試乗記事が掲載されたのを見た方もいらっしゃると思います。
一般の人には「まだまだ先」と言う感じですよね。
古いマイカーを補助金でインサイトに買い替えた、私自身もその一人でした。
ところが、今回の華南出張でその考えが一変しました。
『こりゃ電気自動車の夜明けは近い!!』
深センの街中で赤いワゴンタクシーをしばしば見かけたのです。
ワゴン車自体、まだ中国では珍しいので目についたのですが、それがなんと"電気自動車"だったのです!
しかも聞いてびっくり、既に600台もの"電気タクシー"がすでに街中を走りまわっていたのです。
深センは、投資家のウオーレンパフェットが投資して一躍有名になった自動車メーカーBYDのお膝元。
(BYDとは、Build Your Dreams の略だそうです。)
とはいえ、中国一級都市でいきなり数百台もの電気自動車を走らせ実用実験しちゃう!
とこが、無謀?太っ腹?中国らしい。
▲上海は電気自動車ではありませんが、綺麗でゆったりしたフォルクスワーゲン製の万博ワゴンタクシーが人気です。
『あっ来た!来た!、早くつかまえなきゃ!!』。
中国の電話事情を考えればよくわかりますが、
電柱や地下配線が必要な家庭の「固定電話」の時代をすっ飛ばして、あっと言う間に「個人の携帯電話」時代に突入してしまったのです。
値段が高くて『中国は携帯電話なんて買えないだろー』思っていたら大間違い。
ノキアやサムスンの輸入正規品と、低価格のコピー携帯電話(電池が爆発することがあるから胸ポケットに入れちゃいけないとか)が入り乱れ、数年のうちに中国全土に普及してしまいました。
ブランド携帯は中国の裕福層と欧米日へ輸出、ニセ携帯は中国一般市民やインド・中東・アフリカにまで輸出されているのです。
燃えてしまったりする事故があっても、上海浦東国際空港へリニアモーターカーが走っているし、自転車やバイクにおいては、アシスト自転車なんて存在することもなく、いきなり電気バイクが、歩道の上まで音もなく走ってくるので危なくてしょうがない。
既成事実が先行し、製品の安全性や交通法規の整備はあとからついてくる、中国のリーダーシップ。
そのスピードが速い速い!結局、日本の携帯電話メーカーは、世界一の技術がありながら中国ではマーケットの変貌の速さについていけずに完敗、、、さみしい限りです。
そう考えると、日本のような「エコカー」時代、精巧なハイブリッド車全盛期をすっ飛ばして、大陸ではいきなり「電気自動車へリーチ!」。
技術やインフラの蓄積がない分、過去にとらわれることなく、ゼロからスタートができるわけで、逆に強いとも言えるわけです。
弊社も上海に子会社を持ち、中国ビジネスを展開していますが、こうした自動車事情一つ取ってみても、中国の持つ底力が垣間見える。
技術力があっても、石橋を叩いてなかなか川を渡ろうとしない日本。
技術力がなくても「技術は、人もろとも、会社もろとも、値切って買えばいい」「コピーすればいい」「何人か川に落ちる人がいても、落ちた人が悪い」といち早く川を渡ろうとする中国。
「大陸の理屈抜きの生命力」を感じずにはいられない今日この頃です。