インド便り 〜出稼ぎ社長、千里を走る!! 〜
えー、小話を一つ。
その昔から国際連合で、いつも会議前に問題になることが2つ。
ひとつは、「どうしたら会議で、日本人を喋らせることができるか?」
そして、もうひとつは「どうしたら、喋り続けるインド人を黙らせることができるか?」
中国と尖閣諸島問題で大揺れの9月末、国慶節で中国は長期休暇で水入り、3年ぶりに、インドへ行ってきました。
小話のとおり"よく喋る"インド人を目の当たりにし、インドという国の持つパワーを十二分に感じてきたしだいです。
▲インドのタクシー"力車"(小さなオート三輪)が街中を走り回る!!
3年前、初めてインドを訪れた時も、今回も "バンガロール" から入国。
当時の空港は市街地にあり、一歩外に出たとたん、力車と人と牛の喧噪の渦!!!
そんな空港も様変わり、街の中心部から1時間ほど離れた、近代空港に生まれ変わり、インフラ整備がどんどん進んでいました。
▲空港での朝食、巨大クレープ「ドーサ」(やっぱりカレーをつけて)
▲そこのけ!そこのけ!お牛が通る。インドの牛はやっぱり強かった。
目次
インドを取り巻く、”タブー” と “ビジネスチャンス”
空港からタクシーでホテルに向かったのですが、夜とはいえ、どうも車が少ない?
街が静か?おかしい???
そう、実は到着した日に外出禁止令が出され、街は戒厳令状態だったのです。(@_@)
60年間、寺院の土地占有権をめぐり、ヒンズー教とイスラム教が係争。
判決がその日に出たとかで、暴動を恐れる政府が、全国に外出禁止令!
商店街はシャッターを閉め、ホテルは窓ガラスを壊されないよう、投石防止の網で "クモの巣城" のような有様でした。
結局、内乱が起きるような判決を出せるはずもなく、両者痛み分け。 翌朝は喧噪の満ちあふれた、いつものインドの街の風景になりました。
▲テロがあった、バンガロールの警備は厳重!!
ホテルに入るのに、爆薬検知犬で車はチェック、荷物はすべてX線検査。
空港並みのセキュリティー。
20年前、似たような光景をアメリカのデトロイト空港で見たことがあります。
有名な黒人のプロバスケットボール選手が、白人の奥さんを殺害?
陪審員の黒人比率をめぐり、人種差別問題に発展。
腕利きの弁護士を使い、限りなくクロに近い「推定無罪?」という判決が出たのですが、空港のテレビ前は、結審を知ろうとする人で黒山の人だかり。
飛行機の発着まで遅れる始末。
無罪判決が出た途端、黒人ポーターは踊りだし、白人のパイロットやスチュワーデスは、舌打ちをしてうつむき首を振り振り、解散していきました。
「アメリカもそう自由じゃないんだ。」
宗教、人種、商習慣、国交、気候、病気、様々なタブーとカントリーリスク。
やおよろずの神からキリストまで仲良く同居し、セールやお賽銭が飛び交う、平和が当たり前の日本から、海外へ出て行くと最初は戸惑うことばかり、人類皆兄弟どころか、同胞の間でも対立を抱えている国も多いんです。
そんな現実を知ることから、海外ビジネスが始まるといっても過言ではありません。
だからと言ってリスクを恐れ、日本にとどまることは、低成長という一番のリスクにさらされてしまうと。
ドラッカー 曰く、
「ビジネスとは機会(ビジネスチャンス)の創造なり」
新興国と成熟国では、降ってくるビジネスチャンスの度合いが、どだい違うのです。
そんな海外の環境で、日本人は新興国で躍進する、韓国・中国勢に太刀打ちしてやっていけるのか?
はたまた、世に言う腰ぬけになってしまったのか?
未開の荒野で生き残れ!! インドで活躍する日本人
今回の出張では、以前、勤めていた会社の後輩(インド駐在)の陣中見舞いにも訪れました。
食品会社に勤める彼は、先輩達が誰も行きたがらないインドへ、
3年前、たった一人で自分から手を上げ、責任者で赴任。
ヨーロッパ企業相手に、カントリーリスクをものともせずに、現在大活躍!!
業績を伸ばし、元気にやっていました。
あのキレイ好きだったシティーボーイの後輩が、ローカルの行列のできるカレー屋さんで飯を食うわ(そのあと、私はトイレに頻繁に通うはめに… x_x )、スラム街を案内してくれるわ。
インド人の信用も厚く、すっかり逞しくなっており、親しい友人として僕もすっかり、うれしくなってしまいました!!
どちらかというと、海外部門の人間はスペシャリスト、 「忘れられた駐在員」などといわれ、出世街道から外れる人も多かったのですが、 今は海外勝負できる人に、スポットライトが当たっています!!
上場企業の日本での勤務に比べれば、ビルは汚く、単身赴任、街はうるさく、ご飯はカレー、ステーキやスキ焼きは食べられず(モー!!)、アルコールも規制され、夜はネオンサインも蝶チョもいない(ココが中国と一番違うとこ)
楽しみは週末のゴルフだけ。
でも、そこには未開の荒野がある。
輝く目を見れば、
「男には仕事という戦場が必要なんだ!矛盾に満ちた急成長の市場には、チャンスという名のスパイスがある。」
インドに来て、改めてそう思いました。
日本人だって、環境が厳しければ、厳しいほど武士の本能が覚醒し、強くなれる!
中国、韓国なんかにゃ負けるもんか!!
草食系なんかNOだぜ!!!
と、ちょっと、威勢のいいところで今回は終わりたいと思います(笑
▲小型自動車で圧倒的シェア―のあるスズキ自動車の牙城に、3年前はいなかった現代自動車が攻勢を。
自称 "中小企業のおやじ" 鈴木修社長がんばれ!
EPA関税無税は待ったなしだよ!!