位置決めセンサのカスタマイズ用語を徹底解説

メトロールのセンサは豊富なラインナップに加えカスタマイズが可能です。
基本的なカスタマイズ用語を本記事ではご紹介します。

①コンタクト形状

メトロールのタッチスイッチは、検出体に触れるコンタクトの形状や材質を、用途に応じてカスタマイズが可能です。

コンタクト形状の選び方

・当て方で選ぶ
直進方向から当てる、摺動(スライド方向)当て、偏角(斜め方向)当てがあります。

・検出する対象物で選ぶ
対象物がR形状であれば、コンタクトは平面、平面形状であればR形状のコンタクトを推奨しています。

①コンタクト形状

②ブーツ保護カバーについて

ゴムブーツとは?

IP67以上のセンサには、センサ内部へ液体や粉塵侵入するのを防ぐために、「ゴムブーツ」が搭載されています。
写真の黒い蛇腹状のパーツがゴムブーツです。

ゴムブーツは通常むき出しの状態のため、切粉など鋭利なものがセンサに触れる環境ではゴムブーツが破損し内部へ液体や粉塵が侵入する恐れがあります。こうしたケースでは「ブーツ保護」オプションの搭載を推奨しています。

ゴムブーツとは?
▲ 黒い蛇腹状のパーツがゴムブーツ

ブーツ保護とは?

切粉が発生する環境では、ゴムブーツが切粉によって裂けるケースがあるため、必ずブーツ保護の取付を推奨します。 
ブーツ保護には「Uカバー」と「Dカバー」の2種類があります。

ブーツ保護の選び方

センサの取付方向でお選びください。

ブーツ保護:Uカバー
センサのコンタクトを上向きで使用する場合に選択下さい。上方から飛散する液体や切粉からセンサを保護します

ブーツ保護:Dカバー
センサのコンタクト面を下向きで使用する場合はDカバーを選択下さい。
下向きで使用する場合、Uカバーだとセンサ本体やコンタクトとカバーの摺動部に液体や切粉が積もるため、摺動不良を引き起こすリスクがあります。

ブーツ保護の選び方
上から:Uカバータイプ、ブーツ保護無し
ブーツ保護の選び方2
右から:ブーツ保護無し、Uカバータイプ、Dカバータイプ

ブーツ保護カバーの注意事項

センサを横向きで使用する場合、カバーとセンサ本体の間に切粉が積もったり、クーラントが固着しないようご注意ください。センサのON/OFF動作を妨げる可能性がございます。

③接触力

接触力は、自由位置からセンサを信号動作点に動かすのに必要な力を指します。

接触力により検出体が変形(凹み、たわみ、傷など)が生じないことが必要です。

検出体となるワークが傷つきやすかったり、軽量であるほど、低接触力のタッチスイッチもしくは非接触式のセンサの使用を推奨します。

接触力

④トランジスタ

NPN、PNPに対応可能です。ご確認ください。
NOをNCで出力したい場合は、フォトモス(CL-1F)のご用意もございます。別途搭載頂くことで出力可能です。

トランジスタの3つの特徴

出力電流が100mA(抵抗負荷)にアップ
リレー等(MAX100mA)を直接ON/OFFできるようになります。

電源の逆接続保護回路付加
プラスマイナスを逆につないでも壊れません。

信号変換回路付加
常時開(NO)→常時閉(NC)  または、NC→NOが可能です。

④トランジスタ
④トランジスタの位置
▲センサ本体から約120mmのところに搭載されます

⑤LED

センサの動作確認用のLEDは、ON/OFFが切り替わるタイミングでLEDが点灯します。

常時閉:NCタイプで常時LED点灯を選択すれば、断線などのトラブル早期発見が可能です。

センサの動作確認用のLED

⑥ケーブル保護・⑦ケーブルの長さ

センサに接続されているケーブルは長さの変更が可能です。

ケーブル保護のオプションとは?

ケーブルを断線から守るための2種類の「ケーブル保護オプション」あります。

プロテクトチューブ
主に、工作機械内のような切粉のかかる環境用です。
重量物落下などによるケーブルの損傷防止にも適しています。φ5以上のコードに適用可能です。
密閉性が高い分、曲げ半径が25mmと大きいのが特長です。

ワイヤーブレード
プロテクトチューブよりも、柔軟で曲げやすい特性(曲げ半径7mm)があります。
ケーブルを鋭角に曲げることができますが、ワイヤーブレードにスキマができるため、その分細かい切粉が侵入する可能性があります。

⑥ケーブル保護・⑦ケーブルの長さ
▲上からワイヤーブレード、プロテクトチューブ、ケーブル保護無し ※ケーブル保護は主に大きな切粉除けのためで、防水性はございません。
▲ケーブル保護無し
▲ケーブル保護:プロテクトチューブ付き

プロテクトチューブの経年劣化

プロテクトチューブは下記画像のように、長期間使用していると経年劣化します。この状態はケーブルを破損するリスクがありますのでお早目の交換を推奨しております。

プロテクトチューブの経年劣化:隙間が開いて切粉が入り込むケースがございます。

⑧ケーブルコネクタ

通常のケーブルから「コネクタ付きケーブル」への変更が可能です。

万が一ケーブルが断線したりセンサが破損すると、取り外しなどで交換の手間が発生します。
コネクタ付きにすることで、設備内の複雑な配線を気にせず、センサの交換が可能になります。

※コネクタに対応していない製品も一部ございます。詳しくはカタログもしくはスタッフまでお尋ねください。

コネクタは以下の2種類があります。

  • 中継コネクタ
  • 直出しコネクタ

中継コネクタ

「中継コネクタ」はセンサのケーブルの途中にコネクタがついています。
コネクタ位置の指定やケーブル保護オプションの併用も可能です。

▲コネクタ付きケーブルの例
▲コネクタは簡単に取り外しが可能です。

直出しコネクタ

「直出しコネクタ」は、センサ本体からコネクタが直に出ています。

▲「直出しコネクタモデル」と「通常モデル」の違い
▲直出しコネクタモデルは、本体とケーブルを簡単に取り外すことができます。

⑨ケーブル方向

センサの取付場所に応じて、ケーブルの向きを通常のストレート方向から直角方向へ変更可能です。
ケーブル方向を変更することで、取り付けが困難な場所でも配線が可能になります。

⑧ケーブル方向
▲ケーブルの直角方向出し

ケーブルを強く曲げすぎるとシース(外皮)や絶縁体(内部)へ負荷がかかり断線リスクがあります。
搭載場所に応じて直角方向出しケーブルのご使用を推奨します。

直角出しケーブルの導入事例
▲直角タイプの搭載事例

タッチスイッチだけでなく、タッチプローブなど他製品でもカスタマイズ可能な場合もございます。

▲タッチプローブのケーブルストレートタイプ
▲タッチプローブのケーブル直角タイプ

⑩インターフェースユニット

過電流の影響を軽減するために、メトロールではI/Fユニット(インターフェイスユニット)の使用を推奨しております。

電流が不安定な場所では、過大な突入電流や過電流によりスイッチの内部接点が破損する恐れがあります。
リレー(CL-1F)とセットでセンサーの接点を保護してからご使用ください。
特にインドなどの地域で過電流によるトラブルのお問い合わせをいただいております。

インターフェースユニットCL-1F

I/Fユニットのメリット

I/Fユニット使用には以下のようなメリットがあります。

  • 過電流に対する接点保護
  • 出力電流をアップできる
  • 信号変換が可能
  • 接点寿命が延びる
  • 精度が上がる

※留意事項:インターフェースユニット取付用ソケットは付属しておりません。オムロンMY2リレーソケットまたは端子台ソケットをご使用ください。(オムロン:PYFZ-08)