たった10秒で簡単にカスタマイズできる、高精度タッチスイッチを徹底解説!
設計者・生産技術の皆様、こんなお悩みを持ったことはありませんか?
- オーダーメイドは高コストで手を出したくないが、設備に最適なセンサを使いたい
- 低コストで高精度なセンサを使いたい
- 設計にぴったりあう最適なセンサが見つからない
設備や治具を設計していると、用途や条件にぴったり合うパーツやセンサが見つからなくて大変ですよね。
特注品を依頼するのも高コストで時間もかかるのでやりたくない。
本記事ではユーザ自身で安価でスピーディにカスタマイズができる高精度タッチスイッチ「P10DHシリーズ」をご紹介します。
●この記事でわかること
・低コスト・短時間で簡単にカスタマイズができるタッチセンサが分かる
・センサとカスタマイズパーツの選び方と調達方法が分かる
装置の生産性・精度をアップさせるメトロールの精密位置決めタッチスイッチとは?
目次
カスタマイズが自由なセンサ【P10DHシリーズ】とは?
- 「マイクロスイッチだと条件が合わず使えない」
- 「自社の設計に合わせて高精度なセンサを紹介してほしい」
- 「先端が球になっている測定子のタッチスイッチがほしい」
メトロールには日々さまざまなタッチスイッチのカスタマイズのご要望が寄せられています。
しかし近年ではユーザの課題が多様化し、カタログ品の位置決めタッチスイッチでは対応できないケースもあります。
そこで
ユーザ自身でコンタクト(測定子)を自由にカスタマイズができるタッチスイッチ『P10DHシリーズ』を開発しました。
「P10DHシリーズ」とはどんなスイッチなのか?を動画で解説します。(時間:60秒程度)
通常、メトロールのタッチスイッチの先端には検出物にタッチするコンタクト(測定子)というパーツが固定でついてます。
P10DHシリーズは「先端のコンタクト(測定子)」が無い代わりにM2.5mmのねじ穴が開いており、好きなコンタクトを搭載できるのが特長です。
(画像1参照)
タッチスイッチに好きな「測定子」を装着することで、用途に最適な形状で使用することができます。
以下、様々な測定子を装着した際の6つの事例です。
どんな時にP10DHシリーズはメリットがあるの?
「測定子」自体は安価に入手可能なため
- 装置の試作中に色々な測定子を試したい
- 装置の仕様が変わり測定子を変えなければいけなくなった
などのシチュエーションには効果を発揮するでしょう。
他のメリットとして、P10DHシリーズはコストダウンにも貢献します。
測定子が破損しても、スイッチ本体ごと買いなおさずに測定子のみを交換することで長期間使用できます。
P10DHシリーズの基本スペック
さらにP10DHシリーズの基本機能として、
- 繰返し精度0.5μm(シリーズ最高レベルの精度)
- 保護等級IP67の防水機構(工作機械での採用実績有り)
- 300万回以上の接点寿命
を搭載し、マイクロスイッチやリミットスイッチなど含む位置決め用のタッチスイッチの中でも最高レベルの耐久性と精度を備えています。工作機械、自動機、ロボット、搬送装置など水や油を使用する様々な設備の高精度な位置決めで多数採用されています。
クーラント耐久試験の様子
P10DHシリーズは工作機械の内部で使用しクーラントを直接噴射をしても耐えられる保護構造を備えています。(動画参照)
用語解説:「測定子」とは?
測定子(=コンタクト)とはタッチスイッチが検出物を検知する際に接触するパーツを指します。
主にダイヤルゲージでなじみのあるパーツです。
一般的に測定子の種類は径の大きさ、形状、材質など多種多様。
使用する場所や検出するワークによって使い分けるため、スイッチを選定する際の重要なパーツとなります。
1軸のタッチプローブとしても活用できる
P10DHシリーズはタッチプローブ用のスタイラスもつけられるので、1軸方向用のタッチプローブのような使い方もできます。研削盤や3Dプリンターなどの装置に搭載して、ワークの高さ寸法などZ方向だけを検出するような事例にも応用できます。
種類からみた測定子の選び方
原則、P10DHシリーズには通常、M2.5のネジ部が付属しており、適切な「測定子」を選ぶことが肝要です。
例えば、以下のようなニーズにおいては
- 「細い穴の底を検出したい」ならば「細長いニードル形状の測定子」
- 「斜め方向からワークを当てたい」ならば「R形状の測定子」
- 「真横からスライドさせて検出したい」なら「ボールタイプの測定子」
- 「ペーパーフィーダー用の設備で用紙の2枚取りを検出したい」なら「ローラー測定子」
のように選ぶことが一般的です。
市販の測定子の事例
メトロールでは取り扱いがありませんが、市販のECサイトではローラ型の測定子なども販売しており、ペーパーフィーダーの紙の2枚取りの検出などで活用されています。
ローラー型の測定子は紙の2枚取り検出に便利
形状からみた測定子の選び方
検出対象の形状によって適切な測定子を選ばなければ、精度が安定しないことも起こり得ます。
原則、検出対象と測定子の形状の関係は
- 検出ワークが「R形状」ならば、「平面(フラット)コンタクト」
- 検出ワークが「平面形状」ならば、「R形状コンタクト」
平面同士やR形状同士で接触させると精度が安定しないので注意が必要です。
測定子の3つの調達方法
『P10DHシリーズ』単体には測定子は付属していないため、別に用意する必要があります。
測定子を用意する方法は大きく3つ。
- メトロールのカタログから測定子を選ぶ
- 市販で販売されている他社製の測定子を購入する
- ユーザ自身で測定子を製作する
一つずつ解説します。
調達方法1:メトロールカタログから標準測定子を選ぶ
メトロールがカタログ上で標準品として販売している測定子は12種類。
平面コンタクトや、サイズ違いのボールコンタクト、ニードル(棒状)のコンタクトなど標準的な形状をそろえています。
カタログ[3-19]ページからお選びいただけます。
もちろん、カタログに無くてもメトロールで専用設計、製造することも可能ですのでお気軽にお問い合わせください。
調達方法2:他社製の測定子を購入する
ネット検索で「M2.5 測定子」で検索すると、他社製の測定子がヒットします。
様々な用途に特化した測定子も多く存在するのでこちらから選択することも可能です。
調達方法3:測定子をユーザ自身で製作する
目的に合った測定子が見つからない場合は、ユーザ様自身で製作頂くことも可能です。
実際、ユーザ様の中には工作機械で測定子を自社製作して『P10DHシリーズ』をカスタマイズした採用事例が多くあります。
測定子の形状が特殊であったり、公差や品質などを自社でコントロールする必要がある場合はこうしたケースもお勧めです。
こんな測定子は要注意!
長すぎる測定子、L字(オフセット)測定子などを使うと、軸受けに負荷がかかり保証精度がでなかったり破損するリスクがあります。タッチスイッチは一直線上の軸受け(ボールベアリング)によって、測定子が押し込まれオンオフの信号を出力する構造になっています。
この構造を考慮せずに接触を繰り返すと軸受けや測定子に負担がかかり寿命や精度にも影響するので注意が必要です。
まとめ:測定子カスタマイズ【P10DHシリーズ】の特長
『P10DHシリーズ』の特長をまとめると、
- M2.5mmの測定子を自由にカスタマイズができる
- 自社設計や他社製の測定子も組み合わせ可能
- 測定子が劣化しても、測定子のみ交換可能で低コスト実現
- 繰返し精度±0.5µm、保護等級IP67で油や水のかかる環境でも高精度に使用可能
柔軟に測定子をカスタマイズができるメトロールオリジナルのタッチスイッチ『P10DHシリーズ』。
「測定子のみを交換できる」メリットはコスト面でも多くのユーザ様から好評を得ています。
「コストを抑えて自社設計にあったタッチスイッチを組み込みたい」という設計者の方は社内でご共有ください。
メトロールでは他にも、お客様専用のタッチスイッチ、センサのカスタマイズや選定もお受けいたします。
少しでも気になった方は、お気軽にお問い合わせください。
タッチスイッチ・測定子の購入フロー
ミスミで購入する場合
こちらからご購入いただけます。
ミスミ:高精度 MTタッチスイッチ P10DH
商社経由で購入する場合
タッチスイッチと測定子の購入フローを解説します。
STEP1:カタログからタッチスイッチ本体と測定子を選定する
STEP2:測定子の調達方法を決める
STEP3:仕様決定
STEP4:ご利用の商社経由でメトロールに見積り依頼
STEP5:ご発注
専用設計などのご相談については別途お問合せフォームよりご連絡下さい。
本記事でご紹介した製品
別売の測定子を自由に取り付け可能なタッチスイッチ。
手軽にカスタマイズやパーツの交換ができるので、高価なオーダーメイドコストやパーツのメンテナンスコストを抑えられるメリットがあります。