ヤマザキマザック製マシニングセンタ用、次世代ツールセッターT24Mシリーズの解説
目次
より高精度で、生産性と利便性を備えた次世代のツールセッター、T24Mシリーズが登場。
マザックの工作機械ユーザーの皆様、今お使いのツールセッターに満足されていますか?
本記事で解説するのは、精度・耐久性・使いやすさのすべてにおいて従来のツールセッターをアップデートするT24Mシリーズです。
ツールセッターT24Mシリーズは、ヤマザキマザック社の専用設計(オーダーメイド)で制作されました。
日本や中国ではすでにオプション採用され、効率的で高精度な加工を目指す工作機械ユーザに多く導入されています。
おさらい:ツールセッターとは?
ツールセッターは主に、マシニングセンタなどで工具長測定の目的で使用される接触式センサです。
- 工具の折損検知
- 加工前のツールの原点出し
- 熱変異補正
などの用途で使用されています。すでに使われているユーザも多いのではないでしょうか。
従来のヤマザキマザック純製ツールセッター
多くのヤマザキマザックの工作機械には、純正のツールセッターが搭載されています。
この純正ツールセッターは工具長の折損検出のための基本機能を備えています。
従来のツールセッターの特徴
繰返し精度は10μmであり、高精度な加工を求める場合、より高い精度を望まれるユーザもいます。
機械の熱変異による工具長の補正や小径ツールへの対応といった点で課題があり、より高い精度・利便性を求める声がありました。
- 用途:刃具折れ検出
- 繰返し精度:±10μm
- 接触力:30N
- 全長:200mm
- 切粉飛ばし用エアブロー:無し
- 着脱:六角ナットによる固定
マザックユーザーのための新たなオプション、ツールセッターT24Mシリーズ
ツールセッターは、精密加工を行う上で、工具長の測定や補正という重要な役割を担っています。
一方で、
- 金属加工の要求精度の向上
- ツールの多様化
- 段取り作業の省力化・機械の使いやすさ
などのユーザニーズ多様化により、従来のツールセッターにも「さらなる精度」「生産性向上」「使いやすさ」が求められています。
メトロールではこのニーズに応え、ヤマザキマザック向けに次世代ツールセッター「T24Mシリーズ」を開発しました。
【オプション採用】縦型マシニングセンタVCNシリーズ
T24Mシリーズはすでにヤマザキマザックの縦型マシニングセンタVCNシリーズなどでオプション採用されています。
製品の特長:T24Mシリーズの進化ポイント
具体的にどんな仕様がアップデートされたのか、1つずつ解説していきます。
熱変異も補正可能。従来品の10倍の精度
繰返し精度が従来の±10μmから±1μmへと10倍向上し、熱変異による工具長の変化も補正可能になりました。
生産性を落とさず計測、2信号機能
減速信号と工具長計測の2信号機能により、生産性を損なうことなく計測が可能になりました。
1信号目の減速信号により、高速でセンサにツールを接触させてもセンサを破損させることなく工具長を検出可能です。
小径ツールの計測可能な低接触力
センサを動作させるために必要な接触力が従来の30Nから2.5Nと約80%近くまで軽減され、小径ツールなど幅広いツールの計測に対応。
ワンタッチで取り外し可能(ワンタッチクランプ機能)
ワンタッチクランプ機能により、センサとワークが干渉するような大型のワークの搬入出時には、ワンタッチでセンサの取り外しが可能です。
切粉による誤検出防止:エアブロー機能
従来のツールセッターには搭載されていたなかったエアブローを搭載。
ツールを検出するコンタクト面に切粉やクーラント液が乗っていてもエアブローで排除し誤検出防止します。
シビアな耐久試験をクリア:高い防水性と耐久性
高負荷な耐久試験、防水試験を実施したIP67仕様。クーラント環境下でも長期間使用が可能です。
耐久試験の動画もご覧ください。
センサの交換がラクなコネクタ仕様
センサが破損しても、コネクタを外して本体のみを交換するだけでOK。
ケーブルの配線作業などの手間がかかりません。
まとめ:従来品とT24Mシリーズの比較
従来のツールセッターと専用設計されたT24Mシリーズのスペックを比較してみると以下のような違いがあります。
いかがでしたでしょうか。
単に精度が上がっただけでなく、生産性やユーザビリティの向上など様々な面で機械加工のユーザ様の役に立つ仕様にアップデートされています。ご興味のあるユーザ様は工作機械メーカー様やメトロールにお気軽にお問い合わせください。